消えた猫、亀の弔い、私たちは何かを忘れている
A missing cat, funeral of a turtle, we must be forgetting something
2020
2 channel video (20′ 05″, 5′ 14″)
誰もが持っている「生活の実感」に触れるためにはどのような方法があるだろうか。身近な人に、記憶に残っている出来事や風景について語ってもらう。私が iPhoneに撮りためていた映像(それは写っているものや、撮影したときの些細な記憶によって選ばれる)を、部屋の様々なところにプロジェクターで投影する。その像は、小さな部屋の中で身体の動きや置かれた物体、部屋の構造の干渉を受けて歪み、影をつくり、揺れる。誰かの語りとその現象を重ね合わせることで、両者はときに同期し、ときにバラバラに離れてゆく。それが振付となり、部屋全体が新たな身体をつくり出す。
2面プロジェクションの片方には、自宅で行った上記のパフォーマンスの記録映像を投影。もう片方には、制作のなかで生まれたドローイングをスライドショーにして投影した。